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算数強化に、そろばんと公文はどちらが良い?

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計算力を上げるためだけなら、そろばんでも公文でもどちらでも構いません。

そろばんと公文どちらがよいですか?

教育系の掲示板やFAQを覗くと、例外なくこのような質問があります。

統計的にも感覚的にも、公文の方が優勢です。習い事のランキングでも公文は常に上位にあり、2018年3月の時点で、160万人を超える学習者がいます。ただしこの数字は、全教科の学習者の合計ですので、算数だけで言えば、2018年の統計で一学年平均して8〜9万人とされています。

対するそろばんは古い統計で申し訳ないのですが、2012年統計で、22万人の学習者がいるとされているので、公文と比べてかなり少ないでしょう。一学年で言えば、2〜3万人です。

東大生はどちらを選ぶ?

東京大学新聞社が2014年に実施した「東大生の習い事アンケート」によると、65%の生徒が学習塾に通っていた経験があり、その内30%が公文に通っていたとデータにあります。単純計算で東大生の内19.5%が公文に通っていたことになります。

対してそろばんは、約10%の東大生が通っていおり、公文の方が優勢です。

ただし、1学年あたり8〜9万人の公文算数学習者に対して、そろばんは、2万人強しかいません。そう考えると、必ずしも公文が優勢とは言えないのではないかと思います。

なぜなら東大合格者を3000人とすると、2万人中300人が東大に行けるそろばんに対し、公文は、8万人中600人しか行けないと考えると、比率で言えば、そろばんに軍配が上がるのではないかと考えます。

そろばんの欠点

ただしそろばんには重大な欠点が一つあります。それは、ある程度のレベルまで上がらないと全く使い物にならないのです。

もちろんのことですが、試験にそろばんは持ち込めません。そろばんがあれば、3桁×3桁の掛け算ができる子でも、暗算では2桁の掛け算すらできない子もいます。

ですので、多くの中学受験の本に書かれているように、もしそろばんを選ぶのなら最低2級、できれば1級を取得していないと意味がないのです。

そして大学受験の頃には、級取得者の多くがそろばんを忘れてしまうことを鑑みると、計算力を持続させるためにも段を取るか、もしくは定期的にそろばんの復習をする必要があります。

対する公文は、身についた計算力はなかなか落ちませんので、途中で辞めたとしても、手に入れた計算力は無駄にならないのです。

公文のメリット

公文のメリットは途中でやめても努力が無駄にならないことだと書きましたが、もう一つ、大きなメリットとしては、一桁の計算に関しては、計算そのものを暗記する公文の方が早いです。

またそろばんでは、分数の計算が出来ませんが、公文は高校生までの計算問題であれば、全てを網羅することが出来ます。

そろばんのメリット

そろばんのメリットは、技術を取得すれば、大きな計算を素早く解くことが出来ます。3桁を超える数字を次々と足していくこともできるようになります。

取得する時間と根気さえあれば、計算においてはスーパーマンになれるのです。

またワーキングメモリーが鍛えられるので、数字を覚えることが楽になります。そろばん経験者で、歴史の年号を素早く暗記できる子が何人もいます。計算以外のメリットもそろばんにはあります。

最後に

公文、そろばん共に計算力を上げるためのもので、思考力を上げるためのものではありません。

小学校低学年までは、計算力=頭が良いとされることが多いですが、伸び悩む子の多くは計算力ばかりに目がいって、考える力を鍛えなかったからでしょう。どちらを選ぶにしろ、必ず並行して、外遊びや思考力を使う勉強をさせてください。

また公文、そろばん共に単純作業の連続ですので、人を選びます。単純な作業が嫌いな子には向いていません。

計算力は中学受験に不可欠ですが、これが学力に直接結びつくかと言えばそうではありません。お子様に合った、納得のいく選択をして頂けたら幸いです。

 

 

 

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