幼児の記憶力の上げ方
幼児の記憶力を上げるための方法を解説します。
記憶を司る脳のしくみ
記憶には、陳述記憶と非陳述記憶とがあります。
簡単に説明すると、陳述記憶は言葉で表現できる記憶で、非陳述記憶は言葉で表現できない記憶です。例えば歴史の年号や人物は陳述記憶ですが、自転車の乗り方やスケートの滑り方、そして泳ぎ方などは非陳述記憶です。
非陳述記憶は、一度覚えてしまえば一生忘れません。対する陳述記憶は残念なことにとても忘れやすい特徴があります。
ですので幼児期には非陳述記憶のものを身につけることはとても理にかなっています。その後の復習をあまりする必要がないからです。
また陳述記憶は、二つに分けることができます。一つは意味記憶、もう一つはエピソード記憶です。意味記憶は、辞書のように言葉を文字として表した記憶、エピソード記憶は、経験したことについての記憶です。
陳述記憶は忘れやすいと書きましたが、陳述記憶の中でも「エピソード記憶」はなかなか忘れません。
ですので、非陳述記憶、エピソード記憶、意味記憶の順で勉強していくことをお勧めします。
幼児の記憶力は遺伝する
記憶力がないと思っている人には残念ですが、記憶力は間違いなく遺伝します。酔いやすい人酔いにくい人と同じように遺伝子の型が違うのです。
細かく言えばたった一つの塩基が違うだけなのです。
だいたい20%近く遺伝によって差があると言われています。
エピソードで覚える
先ほどエピソードで覚えると忘れにくいと書きましたが、どのように覚えるのがベストかと言えば外出を増やすことが大切です。エピシード記憶とは経験から得る記憶なので家の中では身につきません。
土日はしっかり外出して経験を増やしてあげましょう。
しかし外出はできない時もあるでしょう。そういう時にお勧めなのが空想です。お母さんやお父さんが空想の物語を作って言葉に経験を加えて上げましょう。
例えば国の名前を覚えるのもフラッシュカードで覚えるのではなく、子供がその国に旅へ行ったようなお話を作り、子供に話すのです。そうすることによって記憶力が定着して記憶力を上げることができます。
楽しむことで記憶力が上がる
このサイトでよく出てくるキーワードでとても大切なことがドーパミンです。ドーパミンとは楽しい時に出てくる快楽物質です。これが出ている状態で勉強をすると普段よりも効率よく記憶ができるようになります。
記憶力を上げるための一番大切なことは記憶することを楽しむ状況に親が導いてあげることです。
例えば、戦い好きの男の子の場合、虫の名前を覚えたらその虫を戦わせることができるゲームを考えたところ、あっという間に100近くの虫を暗記してしまいました。
まずは暗記させるのではなく、親がどうしたら楽しめるかをまず考えるところから幼児教育は始まるのです。
五感で幼児の記憶力アップ
記憶力は、五感をフルに使うと上がります。口だけで言って覚えるより、読んで口に出して、字を書いて覚える方が間違いなく覚えやすくなります。
字を書けない子の場合も、親が言った言葉を反復的に暗唱させることによって記憶力が上がります。
復習の大切さ
ある実験があります。2時間を暗記に当てた子と、20分を暗記に当てて1時間40分を復習に当てた子どちらが多くの言葉を覚えているかを調べました。
するとたった20分でできる量の暗記だったにも関わらず、復習により時間を割いた子の方が多くの言葉を覚えていました。
結局長時間の勉強も全く復習をしなければ意味がないのです。
まとめ
記憶力は遺伝します。その差は20%で、とても大きな数字に見えます。しかしやり方次第で20%の差は埋められます。長期的に見れば復習をする癖をつけることで完全にカバーできると言っても過言ではありません。
ですので親が工夫して子供の記憶力を上げ、記憶の定着率を上げることが大切です。そして子供が大きくなった時に、記憶力の上げ方を教えてあげることで、今まで実践してきたことに意味を持たせることができます。
2017年6月4日