右脳開発の幼児教室はどうなの?
幼児教室の広告をみると親は焦ります。しかし少しだけ冷静になって考えましょう。
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早期教育で焦る親
よく右脳開発の幼児期教室の広告で、「平均IQ160!!IQ200の子もいます」のような広告を見かけます。これを見て、多くの親が焦りを覚えます。
様々な本で紹介されているように、右脳教室に限らず早期教育は子供の自信にもつながるので、結果的に良い結果を生むことが多いです。
しかし右脳教育を受けた子のその後を研究したものはあまりありません。幼児教育を行うこと自体が、特別な家庭に限られていることに加え、比較的最近になって右脳教育がメジャーになったので、統計を取れるだけのサンプルがないからです。
ですので統計や研究結果があまり出ていない現状で、あまりにも極端な右脳教育を始めると却って後悔を生むかもしれません。
IQ200のカラクリ
IQ200と聞いてすごいと思いますか?
IQの専門的な問題を子供にやらせるとIQ150を超えてくる子は数多くいます。現状の子供のIQテストは潜在的なIQを測るものではなく、IQのトレーニングをいかに積んだかを測るテストと考えて良いでしょう。
ですのでIQ200はその教室が優れてるというわけではなく、IQテストのトレーニングをすれば、誰もがある一定のIQは取れてしまうのです。
ただしIQトレーニングの結果が将来につながれば、決して悪いことではありません。しかしそれについても疑問が残ります。あるテレビ番組で東大生20人中4人が右脳開発の幼児教室を出た子だったとアンケートを発表していましたが、サンプルが少なく、これにより効果があるとは言えないと思います。
右脳教材は補助教材
結論から言いますと幼児のうちは様々なことに取り組んだ方が良いと思います。
色々なことに取り組むことでその子の才能を見つけることができるし、心理学者ガードナーの唱えた複数の知能 (言語的知能、絵画的知能、空間的知能、論理数学的知能、音楽的知能、身体運動的知能) をバランス良く鍛えることができます。
右脳教育とはこの中で空間的知能や音楽的知能をメインとしたある一定の脳にしか効果がないのです。
その子の遺伝や環境的な要素の違いによってこの8つのバランスは大きく異なります。しかし重要なことは、どの知能に才能があるかを見極めること、そして苦手なものを作らないことです。
どんな教育が良いの?
まずは好きなことをやらせること、そして読み書きそろばんです。
好きなことをやらせると集中力上がり、自己肯定感が生まれます。これらは勉強をするにも仕事をするにも、とても重要な資質です。色々やらせたいあまり好きなことをさせない親もいますが、最優先にさせることは好きなことです。
そして次に読み書きそろばんです。理由は簡単で、長い間、良いとされてきたものには、必ず良いと言われるだけの理由があります。
「読み」は知識の多さにつながり、「書き」は伝えることや自分の考えをまとめるのにつながります。そして「そろばん」は理系の頭につながる基礎になります。
いろいろな本やテレビをみると取り残されないようにするために親は焦ります。しかし本当にそれらは子供にとってベストな選択なのでしょうか?
右脳が優位、左脳が優位などの根拠はないとおっしゃる学者もいますし、まだ脳の研究自体は始まったばかりで、わからないことだらけです。
現時点では、まずは実績のある教育、そして右脳教育は補助に使うのがベストです。
2018年1月9日